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猫の夜泣きについて

2025年7月30日/最終更新日時:2025年9月24日

猫は、かわいらしい見た目や気ままな性格で私たちを癒してくれる存在ですが、当然ながら高い認知能力を持つ動物でもあります。
猫は周囲の状況をよく観察し、自分にとって心地よいことや不快なことを敏感に感じ取ります。
そして、人間と同じように「ストレス」を感じることもあります。そのストレスが、行動や体調に影響を与えることも少なくありません。

夜、静まり返った部屋の中に響く猫の鳴き声。
その切ない声に何度も目を覚ましたご経験のある飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
猫が夜中に鳴く、いわゆる「夜泣き」は、単なる気まぐれではなく、そこには猫なりの理由が隠れていることが多いです。
中でも注目したいのが、前述の「ストレス」との関係です。
夜泣きは、猫が感じている不安や不調のサインである場合があり、注意深く見守る必要があります。

ストレスが引き起こす猫の夜泣き

猫は基本的に「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」といって、明け方や夕方に活動的になる性質を持っています。そのため、人間の生活リズムとは少し異なる時間帯に活発になる傾向があります。
しかし、本来であれば夜中に静かに過ごすこともできる猫が、わざわざ夜に大きな声で鳴くのは、何らかの不快感や不安、あるいは欲求がある場合がほとんどです。

特に、ストレスによる夜泣きは見逃されがちです。猫は言葉を話すことはできませんが、環境の変化、飼い主や他の猫との関係の摩擦、生活リズムの乱れなどによって、大きな精神的影響を受けることがあります。
例えば、引っ越しや模様替え、家族の不在、新しいペットの登場といった変化は、猫にとって「世界が変わってしまった」ほどのインパクトになることさえあります。
そのような状況で、夜になると不安や孤独感が強まり、鳴くことで安心を得ようとしているのです。

また、飼い主さんの関心を引こうとして鳴いている場合もあります。
日中に十分に遊んでもらえなかった、コミュニケーションが足りなかったと感じる猫は、夜になって「かまって」とアピールしてくることがあります。
これは特に室内飼いの猫に多く見られ、刺激の少ない生活によってエネルギーが発散されないまま、夜に活動のピークが訪れると、鳴き声として表れるのです。

ストレスによる行動の変化と健康リスク

こうした夜泣きの背景にあるストレスは、放っておくとさらに大きな問題につながることがあります。
例えば、過剰な毛づくろい、トイレ以外での排泄、攻撃的になる、隠れて出てこなくなるなど、猫は様々な形で不調を表現します。
ストレスが続くと、免疫力の低下や膀胱炎、胃腸などの身体的症状に発展することもあります。

また、夜泣きが急に始まり、それが数日以上続く場合は、健康面の確認も必要です。加齢による認知機能の低下(いわゆる猫の認知症)や、視覚・聴覚の衰え、内臓疾患や関節の痛みなどが原因となっていることもあります。
特にシニア猫の場合、夜間に不安が強くなったり、方向感覚を失って混乱したり、孤独感を紛らわすために鳴いたりすることが多くなります。

夜泣きを防ぐためにできること

猫の夜泣きを和らげ、ストレスを軽減するためには、まず第一に猫が安心して過ごせる安定した環境を整えることが大切です。
できるだけ生活リズムを一定に保ち、ごはんや遊びの時間を毎日同じように過ごすことで、猫に予測できる安心感を与えることができます。
特に日中に十分な遊びの時間を設けることは、夜間のエネルギー発散を防ぐうえでとても効果的です。

また、猫が落ち着ける「自分だけの空間」を用意してあげることも大切です。静かで安心できる場所にベッドや毛布を置き、外の刺激を減らした空間を作ってあげると、不安の軽減につながります。
環境を整えてあげることが難しい場合は、猫用サプリメントなどを活用するのも一つの手です。

猫の夜泣きは、ただ「うるさい」と感じて𠮟るべきものではありません。その鳴き声の奥には、「どうしていいかわからない」「誰かそばにいてほしい」という切実な気持ちが隠れていることもあるのです。
だからこそ、飼い主さんにはその声に耳を傾け、猫の心に寄り添う姿勢を大切にしていただきたいと思います。

人間が過度なストレス環境下で、様々なSOSを発信するのと同じように、夜泣きは猫からの小さなSOSである可能性があり、私たちへの大切なメッセージでもあります。その声に丁寧に向き合い、猫の気持ちを理解しようとすることは、猫との関係をより深めるきっかけにもなるはずです。