2024年7月3日/最終更新日時:2026年3月10日
猫の「ぽっちゃり」は危険?食べ過ぎが腸内環境(マイクロバイオーム)に与える影響
愛猫におねだりされると、ついついご飯やおやつを多めにあげてしまいませんか?
まるまるとした「ぽっちゃり猫」は確かに可愛いですが、その食べ過ぎによる体重増加は、猫の消化器系や「腸内微生物(マイクロバイオーム)」に悪影響を与えているかもしれません。
今回は、ペット業界の最新ニュースを配信する米国のメディア「Petfood industry」の記事をもとに、猫の肥満の現状と、過食が体に与える影響について解説します。

増加する猫の肥満と「飼い主の認識不足」
太りすぎのペットの割合は年々増加傾向にあります。
米国ペット肥満防止協会(APOP)の2022年の調査によると、獣医師が診察した猫のなんと「61%」が過体重または肥満に分類されました。
(※適正体重から10〜20%増で「過体重」、20%以上増で「肥満」と定義されています。)
「うちの子は普通体型」という勘違い
同レポートで非常に興味深いのが、「猫の飼い主の4分の1以上(28%)は、飼い猫の体型は正常だと判断していたが、獣医師は過体重〜肥満と診断した」というギャップです。このうちの7%は明らかに「肥満」に分類される状態でした。
毎日見ていると少しずつの体重増加には気づきにくく、「これくらいが普通」と思い込んでしまう飼い主様が多いことが伺えます。
最新研究:過食は「腸内環境」を悪化させる
イリノイ大学の研究チームは、「猫の過食と体重増加が、食べ物の消化通過時間と糞便微生物叢(腸内フローラ)にどのような影響を与えるか」という実験を行いました。
【実験内容と結果】
痩せている成猫11匹に対し、18週間にわたって「食べたいだけ」餌を与え続け、血液や糞便を測定しました。その結果、体重の増加に伴い以下の変化が見られました。
- タンパク質や脂肪、総エネルギーの「消化率」が低下した。
- 胃腸を通過する時間が変化した。
- 糞便内の細菌(ビフィズス菌などを含む16種類)のバランスに大きな変化が起きた。
研究者たちは、「食べ物の過剰摂取と体重増加は、消化率を低下させ、腸内細菌叢(マイクロバイオーム)に変化を引き起こす」と結論づけています。
肥満が引き起こす「予防可能な病気」
ペット肥満予防協会の報告書では、「肥満は多くの身体システムに影響を与える生理学的疾患(病気)である」と強い警鐘を鳴らしています。
過体重や肥満は、以下のような深刻な病気のリスクを跳ね上げます。
- 慢性腎臓病や膀胱・尿路結石
- 糖尿病
- 関節炎、脊椎の異常(体が重くて動けなくなる)
- 肝臓病(脂肪肝など)
- 心不全、喘息
🐱 腸内環境と毎日の健康維持をサポート
ダイエット(食事制限)を始めると、猫がストレスを感じてしまうこともあります。カロリーコントロールを行いつつ、乱れがちな腸内環境(マイクロバイオーム)や日々の健康維持をサポートするアイテムを上手に活用してみませんか?
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「欲しがるから…」と甘やかしてしまう気持ちは、飼い主様なら痛いほどよく分かります。しかし、肥満は確実に猫の寿命と生活の質(QOL)を削ってしまいます。
大切な家族だからこそ、心を鬼にして食事量を計り、おもちゃで運動させる時間を作ってあげてください。健康的な体型を維持して、一日でも長く幸せな日々を一緒に過ごしましょう!
【参考文献】
- Tim Wall. Petfood industry. "Overfeeding changed cats’ digestion and microbiome", 2024
- Danielle L Opetz, et al. "Effects of overfeeding on the digestive efficiency...", Journal of Animal Science, 2023