2025年8月20日/最終更新日時:2026年2月26日
犬の腎臓病の症状・原因・治療法を詳しく解説!療法食を食べない時の工夫も
愛犬がシニア期に入ると、気になるのが健康トラブル。中でも「腎臓病」は、多くの飼い主様にとって非常に心配な疾患の一つです。
腎臓は血液をろ過して老廃物をおしっこにして外に出す、とても重要な臓器です。ここがうまく働かなくなると、食欲不振や異常な水分摂取、体重減少など、さまざまなサインが現れます。
大切な愛犬と少しでも長く、穏やかな時間を過ごすために。本記事では、犬の腎臓病の原因や症状、治療法、そして毎日のケアについて詳しく解説していきます。
犬の腎臓病とは?「急性」と「慢性」の違い
犬の腎臓病とは、腎臓の機能が低下し、体内の老廃物や余分な水分を適切に排出できなくなる病気です。腎臓が正常に働かないと、体内に毒素が蓄積し(尿毒症)、全身の健康状態に悪影響を及ぼします。
この病気は大きく分けて「急性腎障害」と「慢性腎臓病」の2つに分かれます。
- 急性腎障害:数時間から数日のうちに急激に症状が現れます。迅速な治療で回復する可能性があります。
- 慢性腎臓病:数ヶ月から数年かけて徐々に進行します。壊れた腎臓の組織は元に戻らないため、進行を遅らせる治療がメインとなります。
気づいてあげたい!犬の腎臓病の症状
急性腎障害の症状
突然発症するため、症状も急激です。最初に見られるのは「食欲の低下」や「ぐったりして元気がない」といった様子です。
さらに、嘔吐や下痢、おしっこが全く出なくなる(無尿)こともあります。重度の脱水で皮膚の弾力が失われたり、目がくぼんだりすることもあります。これらは非常に危険な状態ですので、すぐにお近くの動物病院へ向かってください。
慢性腎臓病の症状とステージ
慢性腎臓病はゆっくり進行するため、初期症状が見逃されがちです。最も特徴的なサインは「多飲多尿(お水をたくさん飲み、薄いおしっこを大量にする)」です。
進行度合いは、国際獣医腎臓病研究グループ(IRIS)のガイドラインにより、ステージ1から4までに分類されます。
- ステージ1:症状はほとんどなく、一般的な血液検査でも見落とされることがあります。(特殊な検査で発見可能)
- ステージ2:無症状のことも多いですが、飲水量が増え、おしっこの量が増える(多飲多尿)傾向が見られ始めます。
- ステージ3:明らかな食欲不振、体重減少、嘔吐や下痢、貧血などが現れます。
- ステージ4:ステージ3の症状が悪化し、けいれん発作などの重篤な全身症状が現れる非常に危険な状態です。
犬の腎臓病の原因は?
急性腎障害の原因
細菌やウイルスによる感染症(レプトスピラ症など)のほか、毒物や人間の食べ物の誤食が大きな原因になります。犬にとって猛毒である「ブドウやレーズン」、植物の「ユリ」、人間の風邪薬などの摂取には十分注意してください。また、熱中症などによる重度の脱水からも引き起こされます。
慢性腎臓病の原因
主な原因は「加齢」に伴う腎機能の低下です。シニア犬に多く見られます。
また、遺伝的に腎臓病になりやすい犬種(ブルテリア、イングリッシュ・コッカー・スパニエル、キャバリアなど)も存在します。歯周病菌が血流に乗って腎臓に悪影響を与えるケースもあるため、お口のケアも重要です。
犬の腎臓病の治療法とケア
治療の基本
急性腎障害の場合は、点滴で脱水を改善し、体内の毒素を排出させる治療を迅速に行います。
慢性腎臓病の場合は、完治させることはできないため、「残っている腎臓を長持ちさせ、生活の質(QOL)を保つこと」が目的となります。高血圧を抑える薬や、脱水を防ぐための皮下点滴などが用いられます。
毎日の食事療法(療法食)
慢性腎臓病のケアで最も重要なのが「食事」です。腎臓の負担となるタンパク質、リン、ナトリウムを制限した特別な「療法食」を与えます。
💡 療法食を食べてくれない時は?
療法食は風味が薄く、犬が嫌がることがよくあります。人間なら「健康のために」と我慢できますが、犬にはそれが伝わりません。
そんな時は、以下の工夫を試してみてください。
- 電子レンジで人肌程度に温めて香りを立たせる
- ぬるま湯でふやかして食感を変える
- 今までのフードに少しずつ混ぜて、時間をかけて移行する
- 獣医師に相談の上、犬が好きなサツマイモやリンゴを極少量トッピングする(※タンパク質の多いササミなどはNGです)
🐶 毎日の健康維持と水分補給のサポートに
シニア犬の健康維持には、日々の栄養補給とたっぷりの水分摂取が欠かせません。「お水をあまり飲まない」という子には、いつものお水やご飯にプラスできるサプリメントを活用するのもおすすめです。
犬用サプリメント・健康ガイドを見る ▶まとめ
犬の腎臓病は、早期発見と日々のケアが非常に重要です。
「最近お水をたくさん飲むな」「おしっこの色が薄いな」と感じたら、年齢のせいだと自己判断せず、早めに動物病院で健康診断を受けましょう。愛犬に合ったフード選びやケア方法を獣医師と相談しながら、穏やかで幸せな時間を一日でも長く楽しんでくださいね。