2022年1月25日/最終更新日:2026年2月10日
皆様こんにちは。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを経て、私たちはウイルスとの向き合い方を改めて考えるようになりました。
実は、伴侶動物(コンパニオン・アニマル)の医療の世界において、「犬や猫のコロナウイルス」との付き合いには長い歴史があります。もちろん、これは現在人間社会で知られているCOVID-19とは異なる種類のものです。
今回は、あまり知られていない「犬コロナウイルス」「猫コロナウイルス」の特徴や症状、そして私たちが愛するペットと健やかに暮らすためのポイントについてお話しします。
伴侶動物とコロナウイルス~犬・猫それぞれの特徴と正しい付き合い方~
犬とコロナウイルス:子犬期に注意が必要

犬には「犬コロナウイルス」という固有のウイルスが存在します。
稀ではありますが、免疫の弱い子犬や、集団生活でストレスを受けた犬が、感染犬の糞便に含まれるウイルスを口にしてしまうことで感染し、軽い嘔吐や下痢などの消化器症状を示すことがあります。
重症化のリスクと予防
犬コロナウイルス単独の感染では、命に関わるほどの重篤な症状が出ることは滅多にありません。しかし、犬パルボウイルス感染症などとの混合感染を起こすと重症化するリスクがあるため注意が必要です。
通常、成犬はウイルスを持っていても無症状であることが多く、仮に子犬時代に感染しても、大きな問題にならないまま成長する場合が多いようです。
予防策としては、感染症が発生している場所に近づかないこと、感染犬との接触を避けることが一番です。ワクチンもありますが、接種時期には既に抗体を持っているケースも少なくありません。
日頃から愛犬の免疫バランスを整え、ストレスの少ない環境を作ってあげることも大切です。
▶愛犬の健康維持に役立つ毎日のケアについてはこちらの記事(犬と猫のサプリメント活用ガイド)も参考にしてください。
猫とコロナウイルス:FIP(猫伝染性腹膜炎)との関係

猫におけるコロナウイルス事情は、犬とは少し異なります。
一般的に「猫腸コロナウイルス」と呼ばれる病原性の低いウイルスは、国内の猫の多く(5〜8割とも言われます)が保有していると考えられています。多くの猫は、このウイルスを持っていても生涯健康に過ごします。
突然変異によるFIPのリスク
しかし、ごく稀に、猫の体内でこのウイルスが突然変異を起こし、**「猫伝染性腹膜炎(FIP)ウイルス」**という強い病原性を持つウイルスに変わることがあります。
通常、免疫がしっかり機能している猫や、過度なストレスを受けていない猫であれば発症に至ることは少ないですが、以下のような条件下では注意が必要です。
- 過密な集団生活による重度のストレス
- 免疫機能の異常(猫免疫不全ウイルスや猫白血病ウイルスへの感染など)
- 子猫や高齢猫など免疫が不安定な時期
FIPはウイルスそのものの作用だけでなく、ウイルスに対する猫自身の過剰な免疫反応が関与して起こる、非常に重篤な病気として知られています。
検査と治療の現在
愛猫がFIPウイルスを持っているかどうかは、PCR検査や抗体検査で調べることができます。
治療に関しては研究が進められており、海外では人間のCOVID-19治療に関連した薬剤(レムデシビル関連物質など)の効果が報告されていますが、現時点では一般的な動物用医薬品として市販されてはいません。
まずは、「猫コロナウイルス」をFIPに変異させないために、愛猫がリラックスできる環境作りと、健康な体づくりを心がけることが重要です。
▶猫ちゃんの免疫維持や健康サポートに関する情報はこちらの記事(猫用サプリメントの選び方)で詳しく解説しています。
最後に~人と動物が健やかに共生するために~

犬や猫においても、人のCOVID-19への感染事例が報告されていますが、現時点で「ペットが人への感染拡大の主因になっている」という事実は確認されていません。
どんな時代であっても、犬や猫と親しく暮らし、惜しみない愛情を注ぐことは尊いことです。
しかし、動物の口の中にはパスツレラ菌などの雑菌も多く存在します。口移しで食事を与えるなどの過度な濃厚接触(過剰なスキンシップ)は避け、節度を持って接することが、お互いに長く、健康に、そして美しく暮らしていくための秘訣ではないでしょうか。
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