2023年4月28日/最終更新日:2026年3月5日
猫のしつけと「社会化期」の重要性~人間社会で穏やかに暮らすために~
「犬と違って、猫にはしつけは無理でしょう?」
そんな風に思われがちですが、実はそんなことはありません。猫も人間と一緒に安全で快適に暮らしていくために、人間社会のルールを「学習」する必要があります。
完全室内飼いが主流となった現代において、飼い主様とのコミュニケーションや、来客、動物病院の受診など、猫がストレスなく対応できる力(社会性)を身につけることは非常に重要です。
この記事では、猫の学習の仕組みと、将来の性格を左右する「社会化期」について解説します。
猫の「学習(しつけ)」の基本
猫も犬と同じように、「特定の環境条件に合わせて行動を変える(学習する)」能力をしっかり持っています。
ただし、しつけとは「動物が生まれ持った本能(習性)」を利用して行うものです。本能から大きく外れる行動は学習させることができません。
例えば、犬は「トイレの場所」を教えやすいですが、猫の場合は教えなくても「砂の上がトイレ」と本能で理解します。逆に、猫に「絶対に爪とぎをしてはいけない」と教えることは本能に反するため不可能です(代わりに「ここでなら爪をといで良い」という場所=爪とぎ器を用意してあげるのが正しいしつけです)。

猫のしつけは「嫌なことを避ける」が鉄則
猫のしつけ(オペラント条件付け)では、絶対に大声で怒鳴ったり、叩いたりしてはいけません。猫は「怒られた理由」よりも「この人は怖い人だ」と記憶してしまい、信頼関係が崩れてしまいます。
猫にルールを教える際は、以下のように環境を整えることが基本です。
- 【行動が増える例】おいでと呼んで来てくれたら、大好きなおやつをあげる。(正の強化)
- 【行動が減る例】人間の手を噛んできたら、すぐに遊びを中断して無言で部屋を出る。(構ってもらえないという結果を与える)
- 【環境の工夫】登ってほしくない棚には、猫が嫌がる両面テープなどを貼っておく。(天罰方式)
🐱 コミュニケーションの「ご褒美」に
ブラッシングや爪切りなどのケアが上手にできた時は、最高のご褒美をあげて「良い記憶」として学習させましょう。おやつ代わりに、美味しく水分補給と健康維持をサポートできるサプリメントを活用するのもおすすめです。
猫用サプリメント・健康ガイドを見る ▶猫の「社会化期」はいつからいつまで?
もともと群れを成さず単独行動を好む猫ですが、室内で人間と暮らす上で「社会化(人や他の動物、環境に慣れること)」は非常に重要です。
猫の社会化期は犬よりも少し早く、短いです。生後3週齢〜9週齢(約2ヶ月)頃までと言われています。
母猫やきょうだい猫から学ぶ大切な時期
この生後2ヶ月までの間に、子猫は母猫やきょうだい猫とじゃれ合うことで、「どこまで噛んだら痛いか」「猫同士のコミュニケーションの取り方」を学びます。また、この時期に人間(男性・女性・子供など)に優しく撫でられたり遊んでもらったりした経験が、「人間は怖くない、安心できる仲間だ」という認識に繋がります。
小さくて可愛いからと、この社会化期を待たずに(あるいは経験させずに)親きょうだいから引き離されてしまった子猫は、成長してから恐怖心が強く攻撃的な行動(本気噛みなど)が増えやすいと言われています。
さいごに
「しつけ」や「社会化」は、異なる生き物である人と猫が、同じ家の中で安心・安全に過ごしていくために不可欠なものです。
もし保護猫などで社会化期を過ぎてからお家に迎えた場合でも、焦らずに猫のペースに合わせて、ゆっくりと優しく接してあげてください。
愛猫と飼い主様が笑顔で過ごせるよう、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
【参考文献】
- 東海林克彦. 犬と猫との暮らしの教科書. 公益社団法人日本愛玩動物協会, 2019
- 東海林克彦. 愛玩動物飼養管理士<2級 第2巻> 2021年度. 公益社団法人日本愛玩動物協会, 2021