愛犬のお口の健康ガイド~歯の抜け替わり時期・本数と口腔内細菌の秘密~

2022年1月12日/最終更新日:2026年3月11日

愛犬のお口の健康ガイド~歯の抜け替わり時期・本数と口腔内細菌の秘密~

私たち人間と同じように、ワンちゃんも歯の病気にかかってしまうことをご存知ですか?
私たちは毎日当たり前のように歯磨きをしていますが、ワンちゃんも歯のお手入れをしないと、歯周病などのトラブルを抱えやすくなってしまいます。

愛犬のお口の健康を守るためには、まず「犬の歯の仕組み」を知ることが大切です。この記事では、愛犬の歯の抜け替わりや、お口の中に住む細菌について分かりやすくご紹介します!

犬の歯

人と犬でこんなに違う!歯の「本数」と「抜け替わり」

人間は年齢が上がるとともに乳歯から永久歯へと生え変わりますが、ワンちゃんも同様に歯の抜け替わりがあります。しかし、その時期や歯の本数には大きな違いがあります。

  • 人間の場合:一般的に28〜32本の歯が、6歳前後からゆっくり生えそろいます。
  • 犬の場合:生後約3~8週齢という早さで28本の乳歯が生えそろい、生後約13週齢頃から抜け始めます。
    その後、生後3~6ヶ月の間に永久歯が生え、最終的には人間よりずっと多い42本の歯が生えそろいます。

ワンちゃんの成長スピードはとても早いため、あっという間に大人の歯になります。乳歯が残ったまま永久歯が生えてしまう「乳歯遺残(にゅうしいざん)」というトラブルが起こることもあるため、生後半年頃はお口の中をよくチェックしてあげましょう。

雑食性の犬ならでは!歯の「形」の特徴

犬と人間とでは、食べてきたもの(食性)の歴史が違うため、歯の形状にも違いがあります。
(※犬の食性については、犬と猫の味覚って?~食べ物の好き嫌いについて~ の記事もぜひご覧ください。)

犬は「雑食寄りの肉食動物」です。そのため、獲物をしっかりと捉えるための鋭い「犬歯(けんし)」を持っているだけでなく、お肉や植物性の食べ物をザクザクとハサミのようにすり潰すための「裂肉歯(れつにくし)」と呼ばれる大きな臼歯が生えているのが大きな特徴です。

お口の中には菌がいっぱい!「口腔内細菌」について

「菌」といえば腸内細菌を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はお口の中にも多種多様な菌が潜んでいます。これらを総称して「口腔内細菌」と呼びます。歯の表面や歯周ポケット、舌の表面など、住む場所によって異なる菌のグループ(細菌叢)を形成しています。

最近の研究では、人の口腔内からは約1,200種の細菌が特定されています。
一方、犬の口腔内細菌は約400種近く特定されており、今後の研究でさらに増えると見込まれています。
興味深いことに、犬の口腔内細菌のうち、ヒトと共通する菌種はわずか約16%と言われています。食事や生活習慣が違うように、人と犬ではお口の中の環境も大きく異なるのですね。

🐶 愛犬のお口の健康維持をサポート!

お口の中の細菌バランスは、日々の食生活やケアに影響されます。「毎日の歯磨きが苦手…」というワンちゃんには、いつものご飯やお水にプラスして健康維持をサポートするサプリメントを取り入れるのもおすすめです。

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おわりに

人とワンちゃんでは、お口の中という小さな箇所でもこんなに大きな違いがあります。
愛犬の歯の健康は、長生きのための大切な第一歩です。次回の記事では、ペットのお口の中で起きる具体的な「トラブル」についてお伝えいたします。


【参考文献】

  • 歯の本数の数え方、Let's L8020、8020推進財団、閲覧日2021年12月24日
  • 監修:愛玩動物飼養管理士認定委員会、愛玩動物飼養管理士2級第1巻・第2巻、2020年
  • 監修:山根義久、イヌ・ネコ 家庭動物の医学大百科 改訂版、パイ インターナショナル、2012年
  • Dewhirst FE, et al. (2012) The Canine Oral Microbiome. PLoS ONE 7(4): e36067.
  • 企画:山崎和久, 口腔細菌叢 健康と病気を操るもう一つの生態系, 羊土社, 2021年