2022年1月19日/最終更新日:2026年2月26日
口臭大丈夫?愛犬のお口のトラブル~歯垢・歯石の原因と隠れた病気のサイン~
人のお口のトラブルといえば、真っ先に「むし歯」を思い浮かべる方が多いかと思います。
しかし、実はワンちゃんにむし歯はほとんど見られません。その理由として、ワンちゃんの唾液は「弱アルカリ性」であるため、むし歯の原因菌が住みづらい環境になっていることや、むし歯菌の栄養源である糖分をあまり摂らないことなどが考えられています。
「むし歯がないなら安心!」と思いたいところですが、ワンちゃんには別のお口のトラブルが多く潜んでいます。今回は、愛犬の「口臭」からわかる代表的な口腔内トラブルとその原因についてご紹介します。

愛犬の口が臭い!考えられる主な原因
1. 歯垢(しこう)と歯石
犬のお口のトラブルで最も多いのが、歯垢と歯石です。
「歯垢」とは、口の中に残ったご飯や動物の被毛、細胞の残骸などが歯の表面に付着したものです。歯の根元あたりが黄ばんでネバネバしているのが歯垢です。
歯垢ができるメカニズムは以下の通りです。
- 歯の表面に唾液中のタンパク質が付着し、被膜が作られる
- その上に細菌が付着し、歯垢が形成される
- 歯垢が硬く石灰化し、「歯石」という塊になる
歯垢中の細菌が多くなると、歯ぐきに悪影響を与え、やがて歯肉炎や歯周病を引き起こす原因となります。歯垢は毎日の歯磨きで除去できますが、歯石になってしまうと自宅で取るのは困難です。歯に硬い塊が付着している場合は、無理に取ろうとせず獣医師さんに相談しましょう。
2. 内臓疾患のサインかも?
お口の中に異常(歯石や歯肉炎など)が見当たらないのに、お口から強いニオイがする場合は要注意です。
腎不全やケトーシス(糖尿病の合併症など)といった内臓の病気が原因で、体内のアンモニアなどのニオイ物質が息に混じって口臭となることがあります。「口が臭いだけ」と軽視せず、大きな病気のサインかもしれないと気にかけてあげてください。
お口の健康は、毎日のケアから
愛犬の口臭や歯石を防ぐためには、日頃のコミュニケーションを兼ねた「お口の健康チェック」と「デンタルケア」が欠かせません。スキンシップの中で、歯茎の色やニオイをチェックする習慣をつけましょう。
🐶 お口の健康維持をサポート!
「歯磨きが苦手…」というワンちゃんには、毎日の食事や飲み水にプラスして、お口の環境を整えるサプリメントを活用するのもおすすめです。
愛犬の健やかな毎日をサポートするアイテムをチェックしてみてください。
今回お伝えしたトラブルには、重大な疾患が隠れている場合があります。変化が見られたときは、早めに獣医師さんに診てもらいましょう!
次回は、犬や猫の口腔内の病気で最も多いと言われている「歯周病」について詳しくご紹介します。
- 愛犬愛猫のお口の健康
- 口臭大丈夫?愛犬のお口のトラブル(本記事)
- 犬や猫もデンタルケアが大切!~歯周病について~
- 犬猫のデンタルケアの実態について
【参考文献】
- 奥田稔、アフタ性口内炎の治療、耳鼻咽頭科臨床、66巻3号p.374、1973
- 監修:山根義久、イヌ・ネコ 家庭動物の医学大百科 改訂版、パイ インターナショナル/図書印刷株式会社、2012年11月10日
- Niels C. Pedersen, Inflammatory Oral Cavity Diseases of the Cat, Veterinary Clinics of North America: Small Animal Practice, Volume 22, Issue 6, 1992
- 猫を飼う前に読む本:猫専門医が教える. N.p., 誠文堂新光社, 2017.