2022年11月22日/最終更新日:2026年5月7日
アニマルセラピー(動物介在活動)とは?人と動物の絆が生み出す癒しの力
皆様こんにちは。
これまで当コラムでは、人と動物が共に生きることの様々な「良い効果」についてお伝えしてきました。
今回は、その素晴らしい絆を社会のために活かす活動、「動物介在活動(一般的にはアニマルセラピー)」についてご紹介いたします。
犬や猫が私たちの心に寄り添うことで、どのような奇跡が起こるのでしょうか?その歴史と活動の具体的な内容を見ていきましょう。
「アニマルセラピー」の歴史と始まり
日本では、初めての動物介在活動が1986年からスタートしました。
私が学生時代に初めて参加したのも、現在の公益社団法人日本動物病院協会(JAHA)が主催するCAPP活動(Companion Animal Partnership Program)でした。現在も私たち赤坂動物病院は、この活動に積極的に参加・推進しています。
36年前、JAHAは当時の厚生省の老人福祉課から認可を受け、活動をスタートしました。当時の会長は私の母(柴内裕子獣医師)でした。
「動物が介在することで人間に良い効果がある」と国が認め、主に高齢者施設での活動をサポートするようになった、非常に大きなターニングポイントの時代です。母や仲間たちの情熱的な努力のおかげで今の活動が継続していると思うと、感謝に堪えません。
それから2万回を超える活動が行われ、全国で98の活動チームが動物介在活動を支えています。
ちなみに、世間では「アニマルセラピー」という言葉で広く知られていますが、実はこれはマスコミが作った造語であり、専門的には「アニマルアシステッドセラピー(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)」などが正しい呼び方になります。
知っておきたい!動物介在活動の「3つの種類」
「動物が人を癒す活動」と一口に言っても、目的によって大きく3つのカテゴリーに分かれています。
💡 アニマルアシステッドセラピーの種類
- ① AAA(Animal Assisted Activity):動物介在活動
- ② AAE(Animal Assisted Education):動物介在教育
- ③ AAT(Animal Assisted Therapy):動物介在療法
これらの活動は、獣医師、ボランティアの方々、伴侶動物医療関係者などが、適性のある犬や猫を連れて施設などを訪問し行われます。それぞれの詳細を見てみましょう。
① AAA(動物介在活動)
高齢者施設などを訪問し、人と動物のふれあいを通じて、参加者の情緒の安定やQOL(クオリティー・オブ・ライフ:生活の質)の向上を目的とします。
② AAE(動物介在教育)
子どもたちを対象にした教育プログラムです。学校などを訪問し、命の大切さや動物への正しい接し方を伝え、心身ともに健全な人間の育成を目指します。
最近人気なのが、文字離れ・読書離れ対策にもなる「読書プログラム」です。子どもが犬に向かって本を読み聞かせるのですが、「犬は自分を批判せず、黙って聞いてくれる」という安心感から、子どもたちは自信を持って朗読できるようになります。
③ AAT(動物介在療法)
人間の医療現場において、「医療行為」として医師の介入のもとに行われるものです。
個々の患者の状態を把握した医師が「処方」するようなイメージで行われ、療法前後の評価もなされます。日本では2003年に聖路加国際病院の小児科病棟で行われたのを皮切りに広まりました。小児科病棟という厳密な環境に動物を受け入れるまでには、感染症対策を含め、医療従事者の並々ならぬご尽力がありました。
法廷で心を支える「コートハウスドッグ」
上記の3つに加えて、近年その貴重性が高く評価されているのが「コートハウスドッグ(Courthouse Dog)」です。
これは、犯罪被害者になった子どもが法廷で証言しなければならない場面などで活躍する犬たちのことです。厳格な裁判所の雰囲気の中、傷ついた子どもが一人で証言することは困難を極めます。しかし、そこに優しい犬がそっと寄り添うことで、子どもは緊張を解きほぐし、安心して話し始めることができるようになるのです。
人と動物の関わりは、心の底から溢れる思いや、遺伝子にすり込まれた深い絆で繋がっているのだと強く感じさせられます。
💡 私たちを癒してくれる動物たちの「健康」を守るために
動物たちが持つ癒しのパワーは、彼ら自身の健やかな心と体がベースになっています。毎日の食事にプラスして手軽に栄養を補給し、健康維持をサポートするサプリメントの活用法をご紹介します。
最後に

今回は、CAPP活動の歴史や、アニマルアシステッドセラピーの種類についてお話ししました。
動物たちが私たちの社会にもたらしてくれる無償の愛とサポートに、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
柴内晶子先生が執筆された記事一覧はこちらからご覧いただけます。