【獣医師執筆】伴侶動物を取り巻く問題と素晴らしい生活~「犬の十戒」と社会化の重要性~

2022年9月13日/最終更新日:2026年4月7日

伴侶動物を取り巻く問題と素晴らしい生活~「犬の十戒」と社会化の重要性~

皆様こんにちは。
少しずつ秋の気配を感じる今日この頃、虫の鳴き声や空気の香りに季節の移り変わりを感じます。皆様の愛犬や愛猫たちも、快適な季節の訪れを喜んでいるかもしれませんね。

今回は、先日私が出演させていただいたラジオ番組や、獣医学会の講演を通じて改めて感じた「伴侶動物との関わり方」についてお話ししたいと思います。

「犬の十戒」から学ぶ、動物目線の愛情

先日出演したラジオ番組の中で、久々に「犬の十戒」に触れる機会がありました。
作者不明の短い詩ですが、長年、世界中の伴侶動物と暮らす人々の心を打ち、語り継がれている名作です。
▶参考リンク:犬の十戒(わんこのWA)

タイトルには「犬」とありますが、日々現場で動物たちを拝見する私としては、猫と暮らす飼い主様にもぜひ読んでいただきたい内容です。最近では、犬に限らず猫も「社会化」や「しつけ(トレーニング)」を行うことで、生活の質(QOL)が格段にアップすることが分かっています。

犬の十戒を読む

忙しさにかまけて、忘れていませんか?

十戒の中には「罰」について触れられている部分があります。
現代のトレーニングは「褒めてしつける」方法が主流となり、厳しく罰することはほとんどなくなりました。しかし、犬や猫の目線で考えたとき、私たちが日々の忙しさにかまけて、つい動物たちの心を無視した振る舞いをしてしまうかもしれない危険性を、この詩はグッと迫る言葉で戒めてくれます。

30年以上も伴侶動物医療の現場にいる私でさえ、十戒の最後の譜を読むと思わず込み上げるものを禁じ得ません。今まで愛して見送ってきた我が子たちの姿や、熱心な患者さんとご家族のお姿が目に浮かびます。

真の愛情とは「社会化」と「エンリッチメント」

ラジオ収録の少し後、私が所属する獣医師の学会(日本臨床獣医学フォーラム)で、一般市民向けの講演を行いました。そこでは、日本の伴侶動物とご家族が直面している問題点について触れました。

日本は、伴侶動物を心から愛し、大切にする気持ちにおいては随一の国かもしれません。しかし、社会的な受け入れ(公共交通機関の利用など)はまだ欧米に遅れをとっており、動物の数が減少しているという課題もあります。

ただ「清潔で安全」なだけでは足りない

講演の中で、非常に重要なトピックスがありました。

「伴侶動物との生活において、十分に清潔で暮らしやすい環境とケアはもちろん必要ですが、それだけではしっかりとした『環境エンリッチメント(動物の幸福な暮らし)』があるとは言えません。
そこにいかに動物たちのコミュニケーション力や『社会化』の機会がもたれ、本来の能力を伸ばす交流が人との間で取られているかがとても大切なのです。」

人と動物は、ただ長い時間を物理的に共にすることが最重要ではありません。いかにきちんと愛情と絆を結び、さらに「十分な教育(社会化)」を与えるかが問われているのです。

「いざという時」に幸せでいられるための愛の教育

社会化(般化)とは、色々な人や環境に慣れさせることです。

日常的には考えたくないことですが、例えば、ある日突然、飼い主である自分と離れ離れになるような事態(入院や災害など)になったとします。
その時、愛犬・愛猫が「他の環境」や「他の人々」ともフレンドリーに接し、大きなストレスなく楽しく日々を送ることができるよう育てておくこと。
それこそが、いざという時の愛する我が子を守る「本当の愛情の形(愛の教育)」ではないでしょうか。

動物とのふれあい

私自身もこの言葉に我が身を反省し、今週は自分と動物たちとの関わり方を見つめ直す「振り返り週間」となりました。

💡 健やかな心と体を作る「日々のサポート」

動物たちとの充実したコミュニケーション(遊びやトレーニング)を楽しむためには、何よりも「健康な体」が土台になります。毎日の食事にプラスして手軽に栄養を補給し、健康維持をサポートするサプリメントの活用法をご紹介します。

最後に

愛犬・愛猫に惜しみない愛情を注ぐとともに、彼らが人間社会の中でストレスなく生きられるように導いてあげること。それが私たち飼い主の大きな役割です。
ぜひ「犬の十戒」を読み返し、ご自身のパートナーとの素晴らしい生活をさらに豊かなものにしてくださいね。


📺 関連情報のご紹介

■ ラジオ番組
TBSラジオ「ミヤリサン製薬 HuPele プレゼンツ ペットと始めるスマイルライフ」
出演者:中澤有美子さん、柴内晶子院長、諏訪部順一さん


■ 日本臨床獣医学フォーラム(JBVP)年次大会
一般の方向けの無料市民講座も開催されております。

柴内晶子先生が執筆された記事一覧はこちらからご覧いただけます。

この記事の執筆者

柴内 晶子 先生(赤坂動物病院 3代目院長)

東京都港区赤坂にて55年以上に渡り、人と動物双方の福祉、教育、医療にかかわり、豊かな社会作りに貢献している「赤坂動物病院」の3代目院長。
「伴侶動物(コンパニオン・アニマル)との幸せな共生」をテーマに、獣医療の枠を超えたトータルケアを提唱しています。

🏥 赤坂動物病院(予約制・365日開院)

住所 〒107-0052 東京都港区赤坂4丁目1-29 赤菱ビル 2F
電話 03-3583-5852
(受付:平日9:30-18:00 / 土日祝9:30-17:00)