2022年7月12日/最終更新日:2026年7月12日
伴侶動物への混合ワクチン接種~適切な時期と副反応について~
皆様こんにちは。
異常な暑さが続く日々ですが、少しだけ暑さが和らいで、ご家族も動物たちもホッと小休止できている頃でしょうか。
日々の暑さでお散歩やお出かけが億劫になりがちですが、キャリーバッグでの移動時なども含め、熱中症対策は引き続き入念に行っていきましょう。
さて、今回は愛犬・愛猫を恐ろしい感染症から守るための「混合ワクチン接種」についてお伝えいたします。

混合ワクチンの推奨ガイドライン(何年に1回?)
混合ワクチンは、狂犬病ワクチンとは異なり法律的な接種義務はありません。しかし、致死率の高い感染症から身を守り、最小のデメリット(副反応のリスク)で最大の効果を得るために、定期的な接種が強く推奨されています。
日本では以前、「毎年接種する」のが主流でしたが、現在では世界的な推奨ガイドラインに基づき、成犬・成猫になってからは「3年ごと」の接種を推奨する動物病院が増えてきました。
💉 ワクチン推奨ガイドライン(犬猫共通)
■ 効果的な接種の間隔
- 初年度(子犬・子猫):8週齢、12週齢、16週齢、24週齢の4回接種が原則
- その後の追加接種:4歳、7歳、10歳、13歳(およそ3年ごとの接種)
- ※シニア期以降は、健康状態に応じて主治医と相談して決定します。
■ 推奨されるワクチンの種類(コアワクチン)
- 犬: 5種混合ワクチン
- 猫: 3種混合ワクチン
<推奨団体>
アメリカ動物病院協会、世界小動物獣医師会(WSAVA)、日本臨床獣医学フォーラム 他
ワクチンは非常に重要な「身を守る盾」です。正しく捉え、適切な間隔で接種することで、愛犬・愛猫の体を安全に守ることができます。
ワクチンの「副反応」と安全な接種のために
ワクチンはウイルスなどの「異種蛋白質」を身体に取り込むことになるため、どうしても副反応(アレルギー反応)のリスクはゼロにはできません。
ここで知っておいていただきたいのは、「今までに何回も打って大丈夫だったから、今回も絶対に安全」というわけではないということです。アレルギー反応は、いつでも一番最近の接種で突然起きる可能性があります。当日の体調や環境によっても変化します。
接種前の問診と、接種後の「待機」が重要
大切なのは、ワクチンを打つ前に必ず獣医師の診察と問診を受け、現在の体調や持病との関連を相談することです。(※重い免疫疾患などがある場合は、ワクチンを見合わせることもあります。)

当院では、接種前に必ず副反応についてご説明し、同意書をいただいております。また、「体のどこに注射を打ったか」を明記した用紙をお渡ししています。これは、後日接種部位にしこり(腫瘤)ができた場合、ご家族も主治医もいち早く気づいて対処できるようにするためです。
接種後は、万が一アナフィラキシーなどの急な症状が出てもすぐに対応できるよう、数十分は院内または病院のすぐ近くで待機していただくようお願いしています。
アウトドア派の犬は必須!「レプトスピラワクチン」
これから涼しくなってくると、愛犬と一緒にキャンプや川遊びなどのアウトドアを楽しむ機会が増えると思います。そんなご家族には、お出かけの1ヶ月ほど前に「レプトスピラワクチン」の接種を強くお勧めしています。

「レプトスピラ症」は、ネズミなどの野生動物の尿から水や土を介して感染する恐ろしい病気で、人にもうつる「人獣共通感染症」です。
以前は静岡県より南の暖かい地域での発生が多いとされていましたが、交通機関の発達による犬の移動もあり、現在では関東やそれ以北でも発生が確認されています。もはや「自分の住んでいる地域は安全」とは言い切れません。
レプトスピラワクチンの効果は「6ヵ月〜1年」と短いため、毎年アウトドアレジャーに行かれる場合や、ドッグランなどで不特定多数の犬と接触する場合は、毎年追加で接種する必要があります。(※通常の混合ワクチンにレプトスピラが含まれているタイプもありますので、主治医にご確認ください。)
💡 ワクチンと一緒に「日々の健康維持」も
ワクチンで外からの感染を防ぐとともに、毎日の良質な食事で「本来の健やかな体」を維持してあげることも大切です。いつものご飯にプラスして手軽に栄養を補給できるサプリメントの活用法をご紹介します。
最後に
人も犬も猫も、楽しい思い出をずっと残せるように、予防できる病気に対しては万全の対策をして行動したいですね。
ワクチンの接種スケジュールや、愛犬・愛猫のライフスタイルに合わせたワクチンの種類について迷われたら、遠慮なくかかりつけの獣医師にご相談ください。
柴内晶子先生が執筆された記事一覧はこちらからご覧いただけます。