2022年4月12日/最終更新日時:2026年4月12日
ペットを飼う前の準備~犬や猫と暮らすためのチェック項目と心構え~
三寒四温といいますが、まさに春先はそのような日が続きますね。
ソメイヨシノ、八重桜、少し色の薄い大島桜など、種々様々な桜や木蓮が次々と開花する一方で、時に冬に戻ったような「花冷え」の日もあります。曇り空の下で咲く桜もまた、趣があって美しいものです。

前回は「暮らす前カウンセリング ~伴侶動物と暮らす前に知ってほしいこと~」というお話をしました。
これは、「これから初めて動物をお迎えする方」だけに向けたものではありません。伴侶動物と共に「長年暮らした経験のあるベテラン飼い主様」であっても、実は意外と知らない最新のアップデート情報があるものです。改めて情報を整理していただくと、新しい発見があるかもしれません。
今回は、具体的に「犬や猫と暮らす前に気を付けておきたいチェック項目」をご紹介します。
犬や猫を迎える前の「4つのチェック項目」
命を迎え入れる前に、ご自身の生活環境と照らし合わせてみましょう。
✿ 1. ライフスタイルと家族構成
- 昼間働いて夜は帰宅する仕事か、夜勤もある仕事か?
- 家族の人数は?
- 一緒に暮らしている人に高齢者や小さな子ども、アレルギーを持つ人はいるか?
✿ 2. 家の環境と広さ
- 十分な床面積(活動スペース)はあるか?
- 集合住宅(ペット可)か、一軒家か?
- 都会か郊外か?(お散歩の環境など)
✿ 3. 費やせる「時間」と「費用」
- 動物のお世話(散歩、遊び、お手入れ)に費やせる時間が毎日どのくらいあるか?
- 経済的に、十分な医療・良質な食事・教育を与えることができるか?
- 動物の医療に関わる「ペット保険」などの検討はしているか?
✿ 4. 家族に合った「種類・品種・性格」
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犬か猫か?
犬と猫の習性、かかりやすい病気、予防医学について知っておきましょう。犬との暮らしを想定していても、実は猫の方が合っている(またはその逆)こともあります。(※2022年6月から、販売される犬猫へのマイクロチップ装着が義務化されています) -
品種の選択
同じ小型犬でも、シーズーは「おっとり愛されるのがお仕事」、プードルは「元水猟犬で活発」、ボーダーコリーは「牧羊犬で多くの運動が必要」など、ルーツによって性格が異なります。
保護犬などのミックス犬を迎えるのも素晴らしいことですが、品種特有の性格推測や、成犬時の大きさが予測しにくいという点も理解しておきましょう。

いざという時のための「備え」
動物は私たちよりも寿命が短く、また予期せぬアクシデントは人間側にも起こり得ます。以下の「備え」ができているか確認しましょう。
- 預け先の確保:老若男女問わず、飼い主自身の病気や事故、急逝などに備えた動物の預け先(家族、友人、シッター、動物病院など)を見つけておく。
- 遺言状や信託の検討:費用を残すことも重要ですが、「残された動物がどのような生活を送るか」まで考えて準備をしましょう。
- レスキューカードの携帯:一人暮らしの方が外出先でアクシデントに遭った場合に備え、お財布の中などに「自宅に伴侶動物がいるので救出をお願いします」と書かれたカードを入れておきましょう。
- 災害時の備え:避難場所の確認、同行避難のルール確認、動物用非常袋(食糧・お水・常備薬など)の用意。
命を守る「クレートトレーニング」の重要性
備えの中で、特に犬も猫も共通して最重要なのが「クレートトレーニング(ケージに慣れさせるしつけ)」です。
クレート(キャリーケース)の中でおとなしく、安心して過ごせるように習慣化することは、動物自身を守ることに直結します。
日常的に安心できる場所としてクレートがあれば、通院の時も、外出の時も、そしていざという災害避難の時も、動物に無駄なストレスがかかりません。特に災害時は、このトレーニングができているかどうかが「同行避難ができるかどうかの分かれ道」になる可能性もあります。
クレートは「お出かけの時だけ出す怖い箱」にするのではなく、常にリビングなどの生活圏に出しておきましょう。その中で食事を与えたり、ご褒美をあげたりして、「大好きな安心できる自分の部屋」にすることが大切です。
💡 お迎えした後の「日々の健康管理」も忘れずに
動物との暮らしが始まったら、毎日の食事や栄養バランスのサポートが欠かせません。
愛犬・愛猫の健やかな毎日を支える、サプリメントの活用ガイドをご紹介しています。
最後に~「完璧」を求めすぎないご縁の形~

ここまで、伴侶動物と暮らすことへの様々な配慮や心構えをお伝えしてきましたが、最後に少し反することをお伝えするかもしれません。
それは、「動物との出会いもご縁のとりなすもの。完璧を求めすぎないことも大切ではないか」ということです。
伴侶動物の家族としてベテランになった方々の中には、少しハンデがある保護動物などに出会った際、「これもご縁だね。うちに来てみる?」という大らかな気持ちで暮らし始める方もいらっしゃいます。
後肢に麻痺を持っているけれどとても愛くるしい猫ちゃんや、足に問題を抱えた大型犬などの譲渡が、当院でも今までに数件ありました。本当にありがたいお申し出です。そして、その動物の存在が、ご家族にとっての心の支えや生きがいになっています。
伴侶動物には、帰る「自然」はありません。私たちの傍らにしか居場所のない存在です。
私たちの手で1頭でも幸せにすることが、すべての伴侶動物の幸せに繋がるのではないかと思います。
柴内晶子先生が執筆された記事一覧はこちらからご覧いただけます。