2022年6月28日/最終更新日:2026年4月7日
高齢になっても伴侶動物と暮らそう!「70歳からパピーとキトンプロジェクト」
皆様こんにちは。
愛犬・愛猫たちも、人間と同じように日々の気候の変化を感じながら生きています。季節の変わり目の中、ご家族も動物たちも、どうか無理をせず健やかにお過ごしくださいね。
さて、今回は日本の「高齢社会」と、シニア世代が伴侶動物(コンパニオン・アニマル)と暮らすことの素晴らしい効果、そしてそのために必要な「備え」についてお話ししたいと思います。
超高齢社会における伴侶動物の「チカラ」
日本では2000年初め頃に超高齢社会に突入し、現在では65歳以上の人口が全体の約3割を占めています。
仕事をリタイアし時間的な余裕ができる一方で、日々のルーティンや社会とのつながりを失ってしまうことは、心身の健康にとって決して良いことではありません。
そこで大きな役割を果たすのが、「伴侶動物(犬や猫)」の存在です。
犬が人間と暮らし始めて約3万年、猫は約1万年と言われています。これほど長い歴史を一緒に歩んできた理由は、共に生きることが双方にとって非常にメリットが大きかったからに他なりません。現代では、その「良い効果」が科学的にも次々と証明されています。
科学的に証明された「健康への良い効果」
高齢者が伴侶動物と暮らすことには、以下のような驚くべき効果が報告されています。
- 心筋梗塞発作後の生存率が高い:エリカ・フリードマン氏ら(1980年)の研究で、動物と暮らしている高齢者は、そうでない高齢者に比べて心筋梗塞発作1年後の生存数が有意に多いことが報告されました。
- 血圧が安定し、通院回数が減る:動物と触れ合うことで血圧が低めに保たれ、通院回数が2割少ないという報告もあります(Siegel 1990)。
- フレイル(身体的虚弱)の予防:特に犬と暮らすことで散歩などの規則正しい運動習慣が生まれ、生活の質の低下が起こりにくくなります。
「70歳からパピーとキトンと暮らそう」プロジェクト
当院では十数年前から「70歳からパピー(子犬)とキトン(子猫)と暮らそう」というプロジェクトを提唱しています。
下の写真は、本プロジェクトのきっかけとなったモンローちゃんとママです。

日本人の平均寿命が80歳を超える今、シニア期に「人の傍らでしか生きる場所のない伴侶動物を幸せにすること」は、ご自身の大きな『生きがい』になるのではないでしょうか。
独居の方も、ご夫婦だけの家庭も、伴侶動物が1頭いるだけで笑顔が増え、会話のきっかけになります。特に若い時から動物と暮らしてきたベテラン飼い主様であれば、その愛情の深さもよくご存知のはずです。「高齢だから…」と諦めるのではなく、保護された成犬・成猫の新しい家族になるという選択肢も素晴らしいと思います。
絶対に欠かせない「万が一の備え」とネットワーク
高齢になってから動物を迎える際、皆様が最も不安に思われるのが「自分自身の身に何かあったら、この子はどうなるのだろうか?」ということでしょう。
しかし、この「万が一の備え」は、実は年齢に関わらず、動物と暮らし始める全ての人が必ず考えておかなければならない責任です。
遺言書や意思表示カードの準備を
私は皆様に、ご自身の伴侶動物についての遺言書や、何かしらの意思表示を明確にし、「セーフティネットワーク」を構築しておくようにお伝えしています。
ご家族やご友人、動物を愛する仲間同士で「もしもの時はお願いね」と助け合える関係を築いておくことが理想です。
さらに、外出の際は上記のような「緊急連絡先カード」をお財布に入れて持ち歩いておくことで、万が一ご自身が外で動けなくなってしまった時に、家で待つ動物の命を救うことができます。
動物を通じたコミュニケーションの魔法

人と動物の絆は、人の心をいち早く開かせる魔法のような力を持っています。
例えば、地域の民生委員の方がご高齢者の自宅を訪問する際、人対人では頑なになってしまう場合でも「おたくのワンちゃん、ご様子はいかがですか?」と声をかけることで、ふっと心が緩み、コミュニケーションが円滑になるケースを幾度も体験しています。
高齢のご家族も伴侶動物も、豊かで幸せな「第二の人生」があって良いはずです。
行政機関や地域社会が一体となって、人と動物のセーフティネットワークを築いていける社会になればと切に願っています。
💡 生涯を共に楽しく過ごすための「健康維持」
飼い主様ご自身の健康はもちろん、パートナーである愛犬・愛猫にもいつまでも元気でいてほしいですよね。毎日の食事にプラスして、手軽に健康維持をサポートできるサプリメントの活用法をご紹介します。
最後に
高齢者が伴侶動物と暮らす上で考えられる課題は、まだ完全には解決していません。
しかし、この幸せな暮らしを「年齢」を理由に諦めなくてよい社会を目指し、可能性を信じて様々な働きかけを続けていきたいと思っています。
「70歳から子犬子猫と暮らそう」というテーマでお話ししましたが、ご縁のあった成犬・成猫であっても、生涯にわたり伴侶動物と暮らせる環境作りを諦めないことが大切です。
私もまた、生涯にわたり、暖かく滑らかな被毛と健やかな瞳で見つめてくれる伴侶動物と共に暮らしたいと心から思っています。
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