2022年2月8日/最終更新日:2026年2月25日
【獣医師が解説】猫の誤飲トラブルにご注意!ひも・おもちゃの危険性と対処法
猫ちゃんと完全室内で暮らす方が増え、交通事故や感染症のリスクは大きく減りました。人と猫との距離が近づき、「人と動物の絆」を感じられる素晴らしい時代です。
しかし、安全に思える家の中でも、猫ちゃんにとって命に関わるトラブルが増加しています。それが「異物摂取(誤飲)」です。
猫は犬に比べると人間の食べ物への執着が少ない子も多いですが、特有の「狩猟本能」や「遊び」が原因で誤飲をしてしまうケースが後を絶ちません。現実面でも愛情のあり方からも、猫ちゃんは「永遠の5歳児」。今回は、愛猫を危険から守るためのお話をします。
猫が誤飲しやすい危険なもの
一番危ないのは「ヒモ状のもの」
猫の誤飲で特に危険なのが、紐(ひも)や糸です。紐に関心を示すタイプの猫は、遊びながら舌のザラザラに引っかかり、そのまま飲み込んでしまうことがあります。
紐がそのまま胃から腸へ繋がった状態で移動してしまうと、腸が引っ張られてアコーディオンのジャバラ(つづら折り)のようになってしまいます。レントゲンでこの状態が見つかることがあり、腸が引き裂かれる恐れもあるため、開腹手術で丁寧に取り除く必要がある命に関わる状態です。
【獣医師のカルテから】縫い針の恐怖
以前拝見したケースでは、猫ちゃんの舌の根元に「縫い糸」が絡んでおり、その糸の先は食道から胃へと繋がっていました。
さらに恐ろしいことに、糸の先端には「縫い針」がついていたのです。裁縫道具の出しっぱなしは、猫にとって大変危険なトラップになります。
その他、注意したいもの
- 小さなネズミのおもちゃ
- ねこじゃらしの先端の羽や附属部分
- ジョイントマットやウレタンの破片
- 人間の薬、マスクのゴム
- 観葉植物(猫にとって毒になる植物は多数あります)
もし誤飲に気づいたら?処置とNG行動
誤飲して数時間以内(胃の中にあるうち)であれば、嘔吐を促す処置で取り出せる場合があります。時間が経って腸に流れてしまうと、内視鏡や開腹手術が必要になる確率が上がります。
絶対にやってはいけないこと:
もし、猫ちゃんの口や肛門から「ヒモ」が飛び出しているのを見つけても、絶対に引っ張ってはいけません。腸を傷つけてしまう恐れがあるため、そのままの状態で急いで動物病院へ連れて行ってください。
愛猫を守る部屋づくりと日々のケア
猫は立体的に活動するため、「高いところに置けば安心」とは限りません。遊んだ後のおもちゃは必ず引き出しにしまうなど、徹底した環境づくりが大切です。
伴侶動物との暮らしに向き合うことは、私たち自身の生活環境を整える機会にもなります。
安全な環境でストレスなく過ごせるようになったら、日々の健康を食事面からもサポートしてあげましょう。
愛する伴侶動物と長く健やかに暮らすために、今一度、お部屋の中を「猫目線」でチェックしてみてくださいね。